日本による上限価格超えの露産原油輸入は米国の了承済み=米エネルギー省

日本はG7で合意した上限価格を超える値段でロシア産原油を輸入しているものの、この事態は上限価格に関する合意に当初から盛り込まれたものであり、パートナー国の合意を得ている。米エネルギー省のデイビッド・ターク副長官がブリーフィングで表明した。
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先に米紙ウォールストリート・ジャーナルは日本がロシア産原油を1バレルあたり60ドルを超える価格で購入していると報じていた。ターク副長官によると、日米両国は長年にわたってエネルギー安全保障のテーマで議論を重ねた末に一種の合意を構築しており、こうした合意の一部は上限価格に関する議論に当初から含まれていたという。その上でターク副長官は一部メディアで情報が正しく伝えられていないとして不満を示した。
米国は先に同盟国と連携し、ロシア産原油に1バレル60ドルの上限価格を設定した。この条件を守る場合、ロシア産原油は西側の制裁を受けることなく海路で輸出されることが認められている。
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先にウォールストリートジャーナルが日本の財務省による貿易統計のデータをもとに伝えたところによると、日本は1~2月、74万8000バレルのロシア産石油をおよそ69億円で購入(約5200万ドル)。単純計算すると1バレルあたり70ドル弱で購入したことになり、上限価格を大幅に上回っている。同紙はこの事実を「日本が米国の石油同盟から脱退」「アジアで最も米国に近い同盟国が、上限価格以上で露産石油を買っている」と、日本に対して批判的な論調で伝えていた。
さらに同紙は、日本は「サハリン2」プロジェクトのロシアのLNG供給については「免責」を獲得していたと指摘している。日本が購入する天然ガス輸入のうち、ロシア産は10分の1。だが、日本がロシアから購入するエネルギー量はこの1年間で4.6%増加したという。アナリストらの見解では、ロシアからのエネルギー資源の供給を日本は拒否することもできるものの、それは望んでいない。
米国防総省のジョン・カービー報道官は、ロシア産エネルギー資源への価格制限の導入について、決してロシア産石油の市場からの完全排除を意図したものではないと繰り返し述べている。
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