AUKUSについて、リ氏は次のように論じている。
「核保有国でNPT(核拡散防止条約)の寄託国である米国と英国が、非核保有国である豪州に高濃縮ウランを与えたことは、明らかに核の拡散である。これが公正な国際世論の評価である。ところが、米英豪は潜水艦には核弾頭ミサイルを積んでいないため、核不拡散には違反しないなどと主張している」
リ氏はこのことが米国の「傲慢さ」を示していると加える。米国は世界で唯一の超大国として「したいことをする」ことができ、追従する衛星諸国は米国の主張を鵜呑みするだろうとしている。
また、リ氏は米国が「核兵器クラブへの通行証」を「民族的、血縁的に近く、自らに従属する国々」に与えていると指摘。バイデン米大統領がAUKUSによる協力計画を発表した際に「これは始まりに過ぎない」と述べたことを考慮すると、将来的に豪州にニュークリア・シェアリングで核ミサイルが配備されたり、豪州が高濃縮ウランを「悪用」して核武装する可能性も排除できないとしている。
「AUKUSが日本やカナダを含む『米国の同志国クラブ』に拡大するのは十分有り得る。日本やカナダは豪州の『思わぬいただき物』を羨ましがっているのだ。こうして、核不拡散体制は名前だけのものとなるかもしれない。米国が遵守を掲げるいわゆる核不拡散は、実際には米国や衛星国のために核武装の一極集中を強化するための道具と化しているのだ」
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