日本の金価格、2日連続で過去最高更新 1グラム=9535円 背景には何が

日本の地金大手「田中貴金属工業」は12日、金の店頭販売価格を過去最高の1グラム当たり9535円に設定した。前日の9456円に続き、2日連続の最高値更新となった。
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金価格の上昇は日本だけではない。ニューヨーク市場でも今月に入り1オンス(約31.1グラム)当たり2000ドルの大台を突破。12日は同市場「Comex」で6月先物が、前日より0.3パーセント高の2025.05ドルの値をつけるなど、世界各地の市場で金価格の高騰がみられる。
原因には様々な要因が考えられるが、日本での金価格に限っていえば円安ドル高が影響しているとする分析がある。共同通信などによると、金価格は国際的にドル建てであるため、ドル高の時ほど円建てでの価格が上がりやすいのだという。
一方、世界的な視点から考えると、別の説明も見えてくる。露市場専門家のレオニード・ハザノフ氏は次のように話す。

「金価格の高騰は、西側の対露制裁などにより世界経済が悪化に向かうシグナルとなっている。また、欧米での銀行危機の拡大も影響している。こうした要因が投資家マインドを緊張させ、資産保護の観点から安全である金の購入を促進しているのだ」

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3月以降の欧米銀行の信用不安などを受け、投資家の間では金融業界の安定性に不安が生じている。実際に、米「シリコンバレー銀行」の破綻やスイスの「クレディ・スイス」が経営危機に陥ったという報道があった後には、世界市場の金価格ははねあがった。
また、このごろ産油国が減産を決めたことによって、今後の原油市場の高騰や世界経済への影響も懸念されている。
さらに、投資家は米国の中央銀行に当たる連邦準備理事会(FRB)が金利を上昇させたことによりリスクにさらされており、安全資産である金に投資している。また、投資家やアナリストは更なる金の高騰が続くとの見方を示しており、投機目的の資金も相まって高水準で推移している。
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