【まとめ】日銀 植田新総裁が就任会見 植田氏に期待するものとは?

© AFP 2023 / POOL/Kimimasa Mayama日銀の植田新総裁
日銀の植田新総裁 - Sputnik 日本, 1920, 10.04.2023
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日銀の新総裁に就任した経済学者の植田和男氏が10日、総裁として初の記者会見に臨んだ。植田氏は会見で、2%の物価目標達成は「そう簡単な目標ではない」と明言した他、金融緩和策の点検について議論を行う必要があるとの考えを示した。
植田氏が述べた内容は以下の通り。
日銀にとって1998年の新日銀法施行以来、物価安定の達成は「積年の課題」であり、これまでの経験を活かしてこのミッションの総仕上げに向けて理論、実務の両面で全力で貢献していきたい。
欧米の金融不安については、各国当局が迅速な対応をしたことで市場は落ち着きを取り戻しつつあるものの、市場における不透明感が完全に払拭されたわけではなく、今後を注視していく。
2%の物価目標については、できるだけ早い達成を目指す。ただし外的ショックがあれば、達成はなかなか難しい。物価2%目標は、そう簡単な目標ではないと認識している。
長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)については、現状の経済、物価を鑑みると継続することが適当であり、この政策の枠組みの修正は考えていない。
日銀が長年にわたって実施してきた金融政策の効果、その副作用に関する点検や検証については「あってもいい」と思うが、これについては政策委員会と議論していきたい。
マイナス金利政策は、現在の金融緩和のベースとなっている政策。副作用もあるが、悪影響を小さくするような工夫が政策の中でなされている。インフレ率が2%に達していないという判断のもとでは、マイナス金利政策を継続するのが適当。
物価に関して、「良い芽」が出てきていることは確か。基調的なインフレ率が少し上がってきており、賃金でも少し良い動きが出ている。これが持続して基調的インフレ率2%の安定的・持続的な目標達成につながる可能性はある。
日銀の黒田前総裁は先日、退任記者会見で自身が実施した金融政策を振り返った。 同氏は、金融緩和に関して「物価が持続的に下落するデフレではなくなった」と評価した他、足下では賃金が上がりやすい状況になっていると指摘した。その一方で 、2%の物価安定の実現に至らなかった点については「残念」との考えを示した。
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