【解説】信用はできる でもチェックは怠りなく! AIとChatGPTとの作業の長所短所

ニューラルネットワーク開発会社ChatGPTのCEOは4月10日に日本の岸田首相と会談し、ChatGPTが日本市場での事業展開に強い関心を持っていることを伝えた。ChatGPTは2022年11月末の発表後、わずか4ヶ月間で尋常ではない数のユーザーを惹きつけた。だが、国家レベルで作業を展開する準備は果たしてできているのだろうか。ChatGPTのようなニューラルネットワークの長所と短所について、スプートニクは検証を試みた。
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ChatGPTって一体何?

ChatGPTはニューラルネットワークをベースに米国の人工知能の開発のOpenAI社がMicrosoftと協力して製作したチャットボット。OpenAIはイーロン・マスク氏ら数名が2015年に設立。マスク氏は後日、同社を辞めている。ChatGPT の主なタスクはユーザーとの会話で日本語でしゃべることもできる他、コードのミスを探し、詩を読み、シナリオを書くなど、様々なことができる。
マイクロソフト(Microsoft)が支援するOpenAIは2022年11月末にChatGPTを無料で使えるサービスの提供を開始した。

助っ人 だけど問題も

ニューラルネットワークの使用が絶対的にプラスなのは、大量のデータ、テキストの処理といったルーティンワークを任せることができることだ。テーブル比較、メールで型通りの返答を書くことなどは人間がやれば何時間もかかるが、ニューラルネットワークなら数秒でこなす。
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AI技術の優位性は実に幅広く、医療やセキュリティ用の顔認証、テキストの作成などの分野ですでに活用され、私たちの身近に存在している。
「スコルテク」AI技術センターの所長でAIRIの上級研究員のイヴァン・オセレデツ氏は、ChatGPTのような最新の生成的モデルの世代であれば、マーケティング、法律、リサーチの分野で働く人にとっては助っ人の役割を担うことができると語っている。
「教育 の分野でこうしたツールを使えば、必要な情報の検索、クリエイティブな作業のためのアイデア探し、英語に翻訳した文章の出来具合のチェックなどはずっと楽にできます。AI技術を使うときに起きるリスクは主にAIがミスをしてしまう能力で、科学者にも今のところ、100パーセントの作業精度は保証できないのです」
ロシアでは大学生らがすでChatGPTの作文能力を試している。2月上旬、ロシア国立人文大学の学生がChatGPTを使って卒業証書を書いた事実が報道された。その学生によると、チャットボットは60ページの論文を生成。執筆・編集と合わせて23時間で完成させてしまったという。AIの助力で書き上げた卒論が規則に違反するのか否か、その問題は未解決のままだ。
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オセレデツ氏は新しい技術はどんなものであれ、これは進歩へ向かう道の一段階なのだととらえ、タスクの負担を軽減し、最適化するために用いねばならないと語る。
スプートニクは先に、AIに仕事を肩代わりさせた場合、人類の負担は軽減されるかについて、検証を試みた。

公務員にとってもAIは助っ人

作業の一部をAIに肩代わりさせることは公務員も可能だ。役人は様々な同意、メール上のやりとりなど、今すぐにもこなさなければならない大量の行政のルーティンワークに喘いでいる。
オセレデツ氏は先日、モスクワで開催されたIT会議で、AIによって公務員の負担は軽減できるため、「公務員が喜んでAIを使うだろう」と発言していた。これによって空いた時間をより重要度の高い作業に充てることができるからだ。大事なのは、最終的にAIが出してくる情報チェックを怠らないこと。
先日、松野内閣官房長官もAI技術の問題点が解決されれば、日本政府も公務員の負担軽減のためにChatGPT使用の可能性を検討するという声明を表している。
「機密情報の取り扱いや情報漏えいの懸念への対応についても、必要な検討を行ったうえで、懸念点が解消された場合における国家公務員の業務負担を軽減するための活用等の可能性を検討してまいりたいと考えております」

AIの諸刃の刃

AI技術が良いことにしか使われないのであればいいのだが、そうはいかない。ChatGPTやそれに似たニューラルネットワークが増殖、普及するにつれて、AIの悪用件数も増えている。
「MyCena Security Solutions」社CEOでサイバーセキュリティ専門家のジュリア・オトゥール氏によると、人口知能(AI)チャットボット「ChatGPT」は極めて説得力のあるフィッシングメールを作成し、サイバー犯罪者のコストを96%削減できるという。
ChatGPTを使うのではなく、その著名度から名前を騙ったハッカーによって、多くのFacebookユーザーがハッカー攻撃の標的になる事件が起きた。この事件ではChatGPT を装ったChromeの悪質な拡張機能によってFacebookユーザーのログイン情報を盗まれている。
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信用はできる でもチェックは怠りなく!

オセレデツ氏はスプートニクからの取材に、他の人よりAIツールのうまく使いこなす者が将来的に競争上の優位に立つと語っている。こうしたAIツールは学習で使う場合効果を発揮する。例えば、関心がある問いに答えを探す際に、長いテキストから短い抜粋を作成することができる。
ただし、ここで忘れてはならないのは、AIは本質的には単なるツールであって、自分のやっていることに責任はとらないということだ。
「 忘れてはならないのは、AIの出した結果に最終的に責任を持つのはリクエストを策定し、データをチェックし、作業を構築した学生だということです。AI技術はまだ、インターネットのように身近で広範なツールにはなっていないけれど、遅かれ早かれ社会生活のあらゆる分野に浸透していきます。今、世界がその応用と規制を慎重に検討していることがその証拠です」
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