イグナト氏によると、ウクライナの防空システムは自国のより内側の範囲をカバーすることさえできない。それは防空システムの装置が足りないだけではなく、その大部分が紛争開始当初にロシア側によって破壊されたからだという。イグナト氏は、ウクライナの防空システムは明らかに老朽化しているため、単にロシアの砲弾が「見えない」と指摘している。そして、北大西洋条約機構(NATO)加盟国がウクライナに供与した少数のシステムは、複数の特に重要な施設のみをカバーしているという。
イグナト氏によると、ウクライナの防空システムが無力であるため、ウクライナ軍の部隊は戦闘に参加する前にロシアのFAB-500による爆撃で重大な損失を被っている。同氏は、重量1.5トンのFAB-1500は近いうちにも使用される見込みであり、その威力は3倍となるため、ウクライナ軍は西側の防空システム「パトリオット」と「Samp-t」、F-16戦闘機を非常に必要としていると強調している。
ロシアの重爆弾FAB-500とFAB-1500 は、米国の誘導装置JDAMのような誘導システムを備えており、標的への接近を修正することができる。これらの爆弾を迎撃するためには、特別なソフトウェアのアルゴリズムを備えた対空ミサイルシステムが必要だが、ウクライナの防空システムには装備されていない。
スプートニク通信は先に、米国はウクライナに提供した無誘導爆弾を「スマート爆弾」に変える誘導装置JDAMの不具合を調査していると報じた。
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