BRICSとともに新しい世界秩序への道へ
スークライ氏によれば、ロシア・ウクライナ紛争が世界の政治構造の分裂を露呈させたことで、この組織への関心が高まったという。グローバル・サウスの国々は、グローバル・ノース(北の先進国)が自分たちを対等なメンバーとして認識していないだけでなく、どんな犠牲を払ってもその支配を維持しようとしていることに気づいた。同氏によると、発展途上国は国際舞台で意見を求められることを望んでいる。
「各国は、BRICSは最も受容力があり、最も提携しやすく、包摂的で、公正な国際社会の実現という自分たちの願望に最も合致したコミュニティだと考えています。だからこそ、多くの国々、南部の発展途上国の中の主要国、新興市場、発展途上経済圏の国々、ラテンアメリカ、アフリカ、中東、アジアがBRICSへの加盟を目指しているのです」
同氏は、西側諸国が自分たちの利益だけを考えて構築した不平等な世界システムにおいて、BRICSがこれらの国々の「保護者」として機能していると指摘している。
BRICSの拡大は、重要な段階
BRICSへの加盟についてスークライ氏は、加盟を希望する国が正式な加盟国になるのか、それともパートナー国になるのかなど、組織として適切な条件がまだ決まっていないと指摘した。しかし、BRICSが設立した新開発銀行(NDB)は、すでにウルグアイ、アラブ首長国連邦(UAE)、エジプト、バングラデシュの4カ国を新規加盟国として受け入れていると明らかにした。
さらに同氏は、BRICSの拡大が将来的に世界経済の重みに影響を与えると考えている。
「さて、GDP(購買力平価ベース)で見ていただいたように、BRICSは今、主要7カ国(G7)よりも大きくなっています。BRICSは31.5%、G7は30%です。しかし、このBRICSのGDPに新たにNDBに加盟した4カ国を加えると、34.5%になります。したがって、現在のBRICSはすでにG7よりも大きくなりつつあり、2030年までにはBRICSが世界のGDPの50%を占めると予測されています」
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