デブリン評論員は、チャット・サービスの「Discord」を通じて流出した米国防総省の機密文書は未だにウクライナを代理に米国がロシアと行う戦争についての情報の宝庫であり続けていると書いている。例えば、米国家安全保障局(NSA)の機密報告書によって、2023年2月、ウクライナ国防省情報総局の長官のキリル・ブダノフ少将がロシア領土の奥深くまであらゆる手段を使った大規模攻撃の準備を開始したことが明るみになった。デブリン氏によれば、モスクワの攻撃計画はウクライナ安全保障局でも練られていた。
ウクライナにおけるロシアの特殊軍事作戦の開始から丸1年の日に、ウクライナの軍閥は軽率な行動に走り、世界を第三次世界大戦に引きずりこみかねなかったが、それをCIAはかろうじて止めたとデブリン氏は書いている。だが、ロシア領への攻撃を狙うウクライナを押しとどめる米国の試みも、ここまでだった。デブリン氏は、特殊作戦開始の1周年から1週間後、ロシア政府はモスクワ近郊の民間インフラに対して無人機による攻撃を行ったとしてウクライナを非難した事実を振り返っている。
これまでウクライナは29歳のロシア人ジャーナリスト、ダリヤ・ドゥギナさんが殺害された2022年8月の自動車爆弾事件など、ロシアの施設やインフラに対する攻撃には加担していないと繰り返し主張してきた。しかし、米国の情報機関は事実はその逆だと確信している。デブリン氏は、ロシア領土で起きるテロ攻撃には背後にキエフがいると強調している。
デブリン氏が流出情報の中で特に注視するのは、キエフ当局が紛争の範囲をヨーロッパ大陸以外にも拡大し、中東や北アフリカにいるロシア軍を攻撃する意図を持っている点だ。米国家安全保障局は報告書で、ウクライナ国防省情報総局がマリに展開中のロシアのワグネル・グループの攻撃を計画していた事実をつかんでいた。デブリン氏によると、マリ政府は、自国軍の安全確保と訓練のためにワグネル・グループのサービスを利用している。デブリン氏は、ウクライナはクルド人と協力してシリア駐留のロシア軍の攻撃計画も練っていたという。「これらは世界大戦を起こすための計画だというぼか?」デブリン氏は問いかける。デブリン氏は、もしウクライナ政府がこうした計画の実行に踏み切ればその責任は米国にあると断言している。なぜならウクライナ政府が存在しえているのは米国の軍事・財政援助があるからにすぎず、その額はすでに1000億ドル(13兆3600億円)にも達しているからだ。
デブリン氏は、ホワイトハウスは第三次世界大戦を始めたのは自国ではないと関与を否定し、その際にウクライナが米国の軍事援助を使ってロシア領土内部まで攻撃を仕掛けるのを幾度も阻止してきたことを理由に挙げるに違いないと見ている。だが実際はどうか。米国とウクライナの間には当初、米国のミサイルシステムを使って標的を攻撃できるのは、米軍が攻撃の座標を確認するか、もしくは自ら座標を提供した場合に限定されると取り決めがあった。にもかかわらず、こうした攻撃は続いている。デブリン氏は、これこそ、実際は誰がロシアと戦争しているのかを明確に示すものだとの見方を表している。
制限のない米国の軍事援助の提供を受け、ウクライナの軍事力が拡大したということは、キエフには米国の兵器を自分たちが向けるべきだと判断した標的に向けることが可能になるということだ。デブリン氏は「米国が盲目的に始めた紛争をウクライナは第3次世界大戦へと変えることを望んでいる。これがゆえにペンタゴン、国務省、ホワイトハウスは必ず己の『首を切ることになる』はずだ」と結論付けている。
先日スプートニクは、米国がウクライナにサイバー戦争の専門家を派遣したと報じている。
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