ヘイスティングス氏は、「米国の情報技術分野での支配的地位は深刻な脅威にさらされている」と指摘している。
問題として挙げられているのは、米国のテクノロジー大手企業が、政府や諜報機関への協力を拒むことが多くなっているという点だ。以前、米政府高官は大企業からシステマティックに支援を受けられていたが、現在の西側諸国では愛国心が衰退。国民の信頼も低下し、諜報機関は深刻な問題に直面しているという。
また、ヘイスティング氏が指摘しているように、西側の諜報機関のイメージも悪くなっている。なぜなら、これらの機関はますます拷問や殺人、裏切りといった手段を多く使うようになっているからだ。ヘイスティング氏は「中国やロシアの諜報機関やサイバー戦争の専門家たちが、西側諸国よりもいくらか賢い専門家にアクセスできることは、懸念を呼び起こす」と締めくくっている。
3月に明るみに出た一連の機密文書漏洩事件について、西側諸国ではロシアや中国のスパイが関与しているとあらぬ疑いが持ち上がった。部屋から出ずともエージェントを使い、機密情報へのアクセスを得るといった具合にだ。だが、米連邦捜査局(FBI)は4月13日、マサチューセッツ州兵情報部門のジャック・テシェイラ隊員(21)を事件に関与した疑いがあるとして逮捕した。
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