IMFは4月28日に発表した報告書で、ロシア産エネルギーの供給が制限されたため欧州は対ロシア制裁の影響を受けたほか、ロシアは「アナリスト予想に反して、制裁に対してより抵抗力があることがわかった」と指摘した。
ロハス氏は経済的変革について、多極化する中で「一般的に言われているよりも速いペースで進んでいる」と強調している。
「ドルは近年の歴史の中で(国際)取引の約90%を支配できる最後の通貨だった。したがって、今後通貨バスケットの構造が新たに再編成されるのを我われは観察することになる」
ロハス氏によると、第二次世界大戦後に世界の経済秩序全体に対する「米国経済による一極支配が確立された」ため、「制裁はまさにこのような一極主義的なコンテキストにおいて機能していた」という。
「この一極世界はこれ以上機能せず、存在しなくなる。これは(ベルリンの)壁崩壊後のグローバル化計画で起こった統合の加速にも関係している」
ロハス氏によると、ウクライナ紛争とそれに関係した経済制裁は、2008年の経済危機後に始まり、所謂「アラブの春」の後に勢いを増した脱ドル化プロセスを加速させた。
「2008年の危機後、また現在の世界的なインフレ加速をめぐり、ドルのような通貨はその理論家(編注:米国などの西側諸国やその金融当局)が主張するほど強くないことを誰もが理解した」
一方、同氏によると、IMFなどの金融機関を含む西側の機関では、客観的現実を認めることに依然として抵抗があり、拒んでいるという。ロハス氏は、メディアもイデオロギー的に過去のモデルを支持しようとしていると指摘している。
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