アリババ創業者ジャック・マー氏が東大の客員教授に 日本のネットユーザーが反応

中国電子商取引大手アリババ・グループの創業者であるジャック・マー(馬雲)氏が金融規制について中国当局を批判して以降、公の場に現れず行方不明の状態が続いていた。しかし2022年、メディアはマー氏が東京に滞在していると報じた。そして同氏は今、東京大学の研究組織「東京カレッジ」の客員教授に就任することが分かった。同氏は、東大で経営やスタートアップに関する講義を行う予定。
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東大は、マー氏に対して重要な研究テーマへの助言や指導、農業・食糧生産の分野での共同研究や事業の実施や、起業・企業経営、イノベーションなどに関する同氏の経験や知見を学生や研究者に共有することを期待している
1.
東京カレッジの重要な研究テーマについて助言や支援を行うこと
2.
特に持続可能な農業と食料生産の分野で、東京大学の研究者と共同研究や事業を実施すること
3.
講演や講義を通じて、起業、企業経営、イノヴェーションなどについての氏の豊かな経験や先駆的な知見を東京大学学生や研究者と共有すること
【解説】中国から東京へ逃亡? アリババ創業者ジャック・マー氏は今、いずこ? なぜ中国は彼を追い出したのか?
マー氏の招聘期間は10月までだが、年単位での更新が可能な状態だという。
マー氏が東大カレッジの客員教授に就任するというニュースは瞬く間にインターネット上で広まった。多くのツイッターユーザーがマー氏の客員教授就任を話題にしているが、そのほとんどが肯定的な内容だった。
Yahoo!のコメント欄でも、ネットユーザーは東大による「買収」を喜んでいる。
あるユーザーは、マー氏の講義を楽しみにしており、「もし公開の講演があれば聴きに行きたいな」とコメントしている。
別のユーザーは、「これからは〜〜の時代というのは当たって来たような気がする。 これからはパソコンの時代とか、これからは福祉の時代とか、かつて言われていたのを子供時代だったけど何となく覚えている。そして確かにそんな時代は到来してきたんじゃなかろうか」と述べている。その上で、今は「食糧、自動化、半導体、エネルギーと環境」なのではないかと指摘し、東大におけるマー氏の貢献に期待を寄せている。
しかし、マー氏の客員教授就任に猜疑心や不信感を示すユーザーもいる。
あるユーザーは、「東大の秘密情報が大丈夫ですか? 日々に中国、中国人のスパイニ ュースを報道していますが…」とコメントしている。
また、あるユーザーは、マー氏が中国で事業を成功させたことについて、「アリババは中国だから成功したのだと思う。 はたして日本で成功したかは疑問だ?」とコメントしている。

中国当局との軋轢の原因

2020年末、マー氏は中国政府と国営銀行がイノベーションを封じているとこれを痛烈に非難した。マー氏は金融監査システムの改革を呼びかけ、システムの変更で経済成長が促されると説いた。
この後、マー氏の会社は問題を抱えるようになる。中国当局は金融企業「アントグループ」の株式公開(IPO)を突然取り消し、アリババグループに対する独占禁止法違反疑いの捜査を開始した。その結果、見つかった違反に対して、史上かつてない罰金額が科された。
AP通信によると、中国の市場監視局は、アリババがパートナー会社に対し、アリババに利益になるように、ライバル会社との協力を拒否するよう強要する政策を進めていると疑いをかけていた。
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