WGCのまとめによると、2023年の最初の3ヶ月で、世界各国の中央銀行はあわせて228トンの金を購入した。この数字は、第1四半期としては、比較可能な統計がある2000年以降では過去最大となっている。これまでの最多記録だった2013年よりも34パーセント多くなっている。
また、報告によると最も多くの金を購入したのは、シンガポールの中央銀行にあたるシンガポール金融管理局(MAS)。69トンを購入し、保有する金の量を昨年6月の約1.5倍に増加させた。2位には58トンを購入した中国人民銀行、3位には30トンのトルコが続いた。
WGC市場アナリストのルイーザ・ストリート氏によると、世界の金の役割は再び増している。その背景には金融不安や地政学的緊張、世界経済の複雑性などがある。そのため、安全資産である金の需要が高まるのは当然であり、今後もこの流れが続くとみられる。
これまでにスプートニクは、中国の中央銀行が過去5ヶ月間で急激に金準備を増やしていることについて伝えた。中国は同時に米公債への投資を減らしており、米国からの経済制裁に耐え抜くための準備を進めているという見方も出ている。
関連ニュース