同紙はデフォルト、過度な歳出削減のどちらが起こっても世界市場に壊滅的な被害を与えると指摘する。デフォルトの場合は世界で最も重要な金融システムへの信用が地に落ち、歳出削減の場合も深刻なリセッション(景気後退)を招く。そもそも、債務上限は政治的な創造物であり、経済的な意味はない。だが、米当局の議論は行き詰まっており、この問題の政治的解決策は現状見当たらない。
世界市場は、米国の政治からが袋小路から抜け出せることを願っている。そうすれば債務上限は上がり、「財政体操」は姿を消すことになる。もちろん、こうした状況は望ましくない。なぜなら、こうした財政問題が起こるたびに金融システムの基盤がより不安定になっていくからだ。
市場関係者は、米国の官僚らが財政政策を変革しようという意志を持っていないことが重大な問題だと口をそろえる。厳しい改革が行われないことによって増税はできず、与党民主党が税財政の計画を立てるのはより難しくなってきている。さらに、経済政策を変更しても深刻な危機を招くとみられる。そうなると、財政出動が急激に減少することで重大な景気後退につながる。
ジャネット・イエレン米財務長官は1日、議会に宛てた書簡の中で、議会が債務上限を引き上げなかった場合、早ければ6月1日に政府の債務支払いを完全履行できなくなる可能性があると警告した。
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