再生可能エネルギーの発展は進んでいるものの、世界経済のエネルギーバランスにおけるその割合は大きくはない。現在でも発電の主力は石炭やガス、石油などの炭素エネルギーであり、専門家も近い将来にそれが劇的に変わることはないと予想している。
ロシア・サマラ国立技術大学の研究チームは、太陽光パネルとガスタービン装置を組み合わせた発電方法を提案している。同大のドミトリー・パシェンコ准教授は次のように述べている。
「伝統的なエネルギー源と、再生可能なエネルギー源を組み合わせることは、発電技術の最適化における主要な方法の一つです。これにより、両方の技術の強い面を生かすことができます」
チームによると、この発電で太陽光エネルギーは、炭素燃料の熱化学変換のために利用される。これによって濃縮された水素ガスが生成され、燃料として使われる。この方法ではガスの消費が通常と比べて約30パーセント減少し、環境にやさしい。さらに、太陽光発電の効率を高めることにもつながり、一石二鳥というわけだ。
「濃縮水素ガスを使ってガスタービンを回すことで、炭素燃料の消費を抑える一方で、太陽光発電の低い稼働効率性を高めることができる。さらに、従来の出力を維持しながら、二酸化炭素の排出量を低減させるいい方法でもあります」
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