今月8日にモスクワ郊外で行われた侍文化の祭典「イストラ大会」にストロジュクさんの姿もあった。ロシアの各地から集った日本好きの参加者らが手裏剣や剣術を披露するなか、ストロジュクさんは戦国時代の食文化の講演を行った。当時の武士の食生活や戦における兵糧の重要性を解説し、給仕の様子もデモンストレーション。訪れた人々は興味深そうに聞き入っていた。
「日本文化は特有で、地域性もあって、奥深い。それが私の琴線に触れたのです。松のひとはりに凝縮された美の宇宙が見えるのです」
日本文化の魅力をこう話すストロジュクさん。11年前に自ら創設した歴史復元クラブ「侍島津」は、室町末期~安土桃山時代の武士文化の復元に取り組んでいる。今回のような食文化に関する講演は活動のごく一部に過ぎず、他にも「天真正伝香取神道流」といった武術や伝統舞踊、茶道など幅広い日本文化に精通している。
主なメンバーはロシア各地の有志28人だが、SNS上では約5000人が「侍島津」のグループをフォローしている。普段は弁護士として活躍するストロジュクさんは、忙しい仕事の合間を縫って日本文化のイベントに参加したり、文献での学習や武道の鍛錬をするなどして日々研鑽を積んでいる。
スプートニク通信は、ストロジュクさんにインタビューし、日本との出会いや活動に対する思い、そのなかで見い出した侍文化の真髄について話を聞いた。