制裁によるダメージを受け、新興国は米国に背を向ける=駐米ロシア大使

ロシアのアナトリー・アントノフ駐米大使は19日、米国が同日に発表したロシアに対する追加制裁についてコメントし、世界の新興国は米国の政策が自国の重要な利益に与えている悪影響を認識しており、それに背を向けるだろうと述べた。
この記事をSputnikで読む
駐米ロシア大使館はテレグラム上に、アントノフ氏のコメントを掲載した。
「米政権は、自らの動きによって自分たちの長期的な目標に打撃を与えることがわからないのだろうか。新興国は、米国の政策が自国の重要な利益を損なっていることを知り、ワシントンに背を向けるようになることは明らかだ」
アントノフ氏は、新たに追加された対露制裁は、本質的に「すでに行われてきたこと」の繰り返しだとの確信を示した。同氏によると、直接的な矛盾を除いて、本当に新しいものは何もない。
「例えば、ロシアへの輸出が禁止されている商品のリストには、ある種の医療機器や農業機具が含まれている。これは、人道的な製品は制限の対象にはならないというホワイトハウスの数々の声明を無意味にするものだ」とアントノフ氏は指摘した。
G7広島サミット
【視点】G7による対露制裁は逆効果をもたらす可能性がある
同氏の見解によると、ワシントンの意図は、ロシア市場やロシア企業との協力からパートナーを遠ざけようとすることだ。
アントノフ氏は「企業や専門家、一般市民を混乱させる。我々がある種の『制限という(帽子の)フード』の下にあると信じ込ませるためだ。もちろん、これは事実とはかけ離れている。ロシアはそれを促進させることを阻止し、基本原則を妥協させようとする試みに対処する能力を、口先ではなく、行動で証明してきた」と締めくくった。
米国は19日、主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)に合わせ、追加の対露制裁を発表。中国・イランなど20カ国以上にまたがる300以上の個人・団体を新たな制裁対象とした。また、1200種類以上の品目についてロシアへの輸出を禁止とした。
これに対し、ロシア外務省は、オバマ前米大統領を含む500人の米国人の入国禁止措置を発表した。
関連ニュース
加速する脱ドル化とウクライナ経済の崩壊 米投資家が対ロ制裁の影響について語る
インドはEU向け石油製品の輸出量で世界1位になるかもしれない ロシアの力を借り
コメント