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【視点】G7による対露制裁は逆効果をもたらす可能性がある
【視点】G7による対露制裁は逆効果をもたらす可能性がある
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... 2023年5月18日, Sputnik 日本
2023-05-18T19:00+0900
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米国はロシアの輸出制限について新たなアプローチを提案している。これは、輸出禁止品目を指定して残りは全部認める「ネガティブ方式」から、少数の許容物品を除いて輸出を全面的に禁止する「ポジティブ方式」にするというものである。サミットでは、G7の加盟国がこのような方式を支持するかどうか、またこの方式を採用するとして、どのような具体的な分野でこの方式を適用するのかについて議論されることになっている。これに関連して、エネルギー・金融研究所の専門家、セルゲイ・コンドラチエフ氏は、「スプートニク」からのインタビューに応じ、ロシアのエネルギー部門に対する制裁強化は、ロシア経済に限定的な効果しか生まないと述べている。一方、米国が提案している、ロシアへの輸出品に対する新たな方式について、コンドラチエフ氏は、サミットの参加者全員がこれに賛同するかどうかは不明だと述べている。セルゲイ・コンドラチエフ氏はまた、貿易における究極の状況は、逆効果をもたらす可能性があるという点にも注意を向けている。一方、制裁に対するロシア経済の耐久力について、セルゲイ・コンドラチエフ氏は、新たな制裁発動による影響は、それがどのようなものであっても、深刻なものとはなるが、危機的なものとは言えないと述べてる。
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g7, 対露制裁, 国内, ロシア, 欧州, 米国, オピニオン
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【視点】G7による対露制裁は逆効果をもたらす可能性がある
G7(先進7カ国)の首脳らは、5月19日に開幕する広島サミットで、ロシアのエネルギー部門に対する制裁を強化し、ロシアの防衛産業にとってもっとも敏感な製品の輸出制限について発表する可能性がある。またサミットでは、第3国による対露制裁の抜け穴対策についても意見が交わされることになっている。この問題については、サミット前の最後の閣僚会議として新潟で開かれた先進7カ国財務相・中央銀行総裁会議でも話し合われた。
米国はロシアの輸出制限について新たなアプローチを提案している。これは、輸出禁止品目を指定して残りは全部認める「ネガティブ方式」から、少数の許容物品を除いて輸出を全面的に禁止する「ポジティブ方式」にするというものである。
サミットでは、G7の加盟国がこのような方式を支持するかどうか、またこの方式を採用するとして、どのような具体的な分野で
この方式を適用するのかについて議論されることになっている。
これに関連して、エネルギー・金融研究所の専門家、セルゲイ・コンドラチエフ氏は、「スプートニク」からのインタビューに応じ、ロシアのエネルギー部門に対する制裁強化は、ロシア経済に限定的な効果しか生まないと述べている。
「制裁が発動されて以降、石油やガスの輸出に関係する多くの企業が新たな状況に適応しています。『価格の上限』を守らず、ロシア産の石油を輸送する安定したタンカーが現れています。EUの第11弾制裁パッケージでは、船はヨーロッパの港に入港することが禁じられていますが、この禁止はこれらの船にはあまり意味のないものです。というのも、これらの船はもともとヨーロッパの港には寄港していないからです。もしどこかの船がこのビジネスから撤退したとしても、そこにはまた別の船がやってきます。海上運賃は2〜3倍高くなる可能性があり、これはかなりの収入になります」
一方、米国が提案している、ロシアへの輸出品に対する新たな方式について、コンドラチエフ氏は、サミットの参加者全員がこれに賛同するかどうかは不明だと述べている。
「これは米国とカナダが支持している方式です。米国やカナダはロシアとの貿易高はそれほど高くないからです。しかし、イタリア、ドイツ、フランスにとって、これは深刻な脅威であり、そのような決定を下す用意ができていないことは明らかです。大きなファクターとなる可能性があるのは、ロシアがその対抗策として、ウランや核燃料の輸送を禁止する可能性があるということです。これはG7の一連の加盟国にとってはきわめて重大な脅威です。
日本はおそらく、G7の全体の決定に賛同するでしょう。かつて日本は、360万ルーブル以上の自動車をロシアに輸出するのを禁止しましたが、新たな制裁の枠内では、中古自動車の販売を禁止する可能性があります。しかし、これが、ロシア経済にとってそれほど深刻なことでないのはお分かりになるでしょう」
セルゲイ・コンドラチエフ氏はまた、貿易における究極の状況は、逆効果をもたらす可能性があるという点にも注意を向けている。
「G7加盟国のロシアに対する行動を見て、多くの開発途上国、そして中国、インドなどの国々が同様のシナリオから身を守ろうと、最大限に自国の生産を発展させるでしょう。今後、ロシアと貿易をおこなっている国々に対し、より厳しい制裁が発動された場合、その国の数を考えれば、そのプロセスは滝のようにその国の経済に長期的な打撃を与えます。つまり、考えにくいことではあるものの、特定の品目を除いた全体的な輸出禁止が発動されれば、ロシア、欧州、そして世界の貿易の経済に多額の損害をもたらすことになるでしょう。その影響はすぐに現れるものではなく、10〜15年後に明らかになるのです」
一方、制裁に対するロシア経済の耐久力について、セルゲイ・コンドラチエフ氏は、新たな制裁発動による影響は、それがどのようなものであっても、深刻なものとはなるが、危機的なものとは言えないと述べてる。
「多くの部門で、すでに新たな条件、新体制への適応が起こっています。複数の国にかなりの利益をもたらすような並行輸入が機能しています。もちろん、いくつかの製品群には、ロシアが輸入を完全に停止することができないニッチな部分がありますが、そうした部分というのは欧州諸国、またその他の国々にもあり、そうした国々には、一連のロシア製品を輸入しないわけにはいかない事情があるのです。
ですから、制裁によってロシア経済への損害はあったとしても、ロシア経済が崩壊するとは思いません。ですが、制裁による逆効果というものは、けして無視してはならないのです」