イリーナさんは、「私たちはウクライナに避難することを望まなかったので、(ウクライナ当局と軍は)私たちを人間だとみなしませんでした」と語っている。イリーナさんによると、ウクライナ当局とその軍の兵士は、アルチョモフスクに設置された暖房付きのテントや援助物資の配布場所で、子ども連れの家族を探し出していた。そして当局者らは、両親や近親者がいなくても、子どもを取り上げる権利があるとする判決書を手にしたという。それは、子どもを戦闘地域から連れ出す必要があるという単純に基づくものだという。
イリーナさんは、「親がこれに同意しなければ子どもは勝手に連れ去られ、拒否すれば親権を剥奪されたんです」と語っている。そして子どもがその場所に到着した際に、その子どもが連行されないという確証もなかったという。
さらにイリーナさんは、ウクライナ軍がアルチョモフスクで11歳の少年が両親の元から誘拐された様子について語った。その少年は取り押さえられ、近所の人が少年を解放するように懇願したところ、懲罰を受けることになると脅されたという。少年の両親は、ウクライナ政府が支配する地域のうち、その場所から最も近いコンスタンティノヴァに1日以内に到着しなければ、二度と息子に会えないと告げられたという。
先日、ロシア軍がアルチョモフスクを完全に管理下に置いたことが明らかになった。これを受け、ロシアのプーチン大統領は、アルチョモフスクの解放に参加したすべての戦闘員に向けて祝辞を述べた。