ロシア大使館は、スウェーデンの日刊紙「スヴェンスカ・ダーグブラーデット」に掲載された「ウクライナはカール12世から学ぶべきことがある」と題された「経済専門家で予備大佐」のニルス・ビルト氏の記事の内容に対し、コメントを発表した。
執筆者のビルト氏は、ウクライナは「脆弱な防衛線に素早く突破すること」に集中すべきだとし、1700年に、1万人規模のスウェーデン軍で、9万人規模のロシア軍に攻撃をかけたナルヴァの戦いでカール12世が見せた戦法を基礎とすべきだと助言した。
これに対し、ロシア大使館はコメントの中で、「ビルト氏は、当時の2つの重要な出来事についてはまったく触れていない。それは1704年にロシア軍がナルヴァを制圧したこと、そして1709年にはカール12世の軍はポルタヴァの戦いで大敗を喫し、スウェーデン王国の衰退の始まりとなったことである。つまり、スウェーデンは1700年に一戦闘では勝利したが、最終的には敗戦した」と指摘した。
またビルト氏は記事の中で、ウクライナは反撃を引き延ばしてはならないとしている。ビルト氏は、1943年にドイツ軍があまりにも長く待機したため、その間に赤軍が自らの拠点を強化し、結果的にドイツはクールスクの戦いで敗北したと述べている。ロシア大使館はこれについては、まったくその通りだとして、「よ 知られているように、ウクライナ政権はナチズムの信奉者である」と指摘した。
加えて、ロシア大使館の声明には、「ウクライナがカール12世やナチス・ドイツから何を学ぶべきかという問題に戻るなら、スウェーデンやドイツの軍は、我が無敵の国に敗北したということを今一度、思い出してもらいたい」と記され、「我々からの助言は、300年前の考えを持ち出す不幸な執筆者は、今後、もっと的確な歴史的事実を例に挙げるべきだということだ」と締めくくられている。
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