キッシンジャー氏は27日、100歳の誕生日を迎える。これを機にWSJの取材に応じた中で、次のように発言した。
「セヴァストポリ(クリミア半島の都市)は史上、ウクライナ領だったことは無いが、ロシアがこれを失ったことはあまりにも大きな衝撃だったので、その一体性は脅威にさらされた。そして私の考えでは、これはウクライナの後の世界にとって望ましくない」
また西側がウクライナをNATOに迎え入れようとしたことは大きな過ちだったとし、これがウクライナ危機を引き起こすに至ったと指摘した。
キッシンジャー氏によると、ロシアは数百年にわたって欧州との間でジレンマに苦しんできたという。ロシアは欧州との協力を望みながらも、その脅威にさらされてきたと分析した。なお、キッシンジャー氏はこれまでウクライナのNATO加盟に反対してきたものの、今となってはその加盟を支持しているという。そのほうがロシアにとっては安全だと分析している。
先にキッシンジャー氏は英誌エコノミストによる取材の中でウクライナ情勢についても言及している。元国務長官によると、ウクライナは欧州で最大の軍事大国となったものの、指導部は未熟であることから、北大西洋条約機構(NATO)に加盟させることで紛争のリスクを低下させる必要があるという。