IT・科学

アルツハイマー病を検出するモバイルアプリが開発される

日本の筑波大学の研究グループとIBMリサーチの研究者チームは、機械学習をベースにアルツハイマー病の早期段階にあたる軽度認知障害を検出するモバイルアプリを開発した。発話音声から認知機能障害の特徴を分析するという。5月末、研究及び開発の詳細がComputer Speech & Language誌に掲載された。
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現在、アルツハイマー病を早期に診断するのは難しい。初期症状は、言い淀みや言葉が円滑に出てこないなど、やっと気づく程度の言語障害。このような障害は無視され、疲労やその他の外的要因によるものとされることが多い。
アプリを開発するために、アルツハイマー病または認知症と診断された患者および健常者114人の音声データが収集された。音声はiPadで録音された。
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研究の参加者は、「写真を言葉で説明する」「動物の名前をできるだけ多く挙げる」などの5つの課題に音声で回答した。音声は、IBM Watson Speech-to-Textシステムを使ってテキストに変換され、声の大きさやトーン、話すスピード、無音の短期的変化の有無が分析された。これらのデータは、機械学習モデルのトレーニングに使用され、アルツハイマー病と経度認知障害をそれぞれ91%と88%の精度で検出できることが示された。
このモデルは、ユーザーが自己検査をし、医療機関の受診に関するアドバイスを受け取るのに役立つ本格的なモバイルアプリに統合される予定。研究者たちは、これによって認知機能障害の早期検出や、より包括的アプローチによる診断を支援できると考えている。
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