NATOがロシアとの戦争に備えた秘密計画を準備 冷戦以降では初

7月11日から12日にかけてヴィリニュス(リトアニア)で開催される北大西洋条約機構(NATO)首脳会談では、「数千ページに及ぶ秘密の軍事計画」が検討されることが分かった。そして、その中にはロシアとの軍事衝突を想定した計画も含まれている。オンラインメディア「レスポンシブル・ステイトクラフト」のコラムニスト、イアン・デイヴィス氏が自身の記事でこのように述べている。
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デイヴィス氏は、ロシアとの直接対決に関する詳細なシナリオが、冷戦後初めてNATOの文書で策定された点を指摘している。
この秘密計画は、ブリュッセル(ベルギー)にあるNATO本部の密室で、常駐の軍事担当者によって作成された。デイヴィス氏は、この作業が議員や独立した専門家による事前の精査なしに行われていたことなどを明らかにしている。また同氏はこの件に関して、NATO内の長期軍事計画プロセスの透明性が欠如しているとの懸念を示している。
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同氏はこの記事の中で、NATOが分類した軍事計画や概念の「ファミリー」を挙げている:
欧州大西洋地域の抑止と防衛のための概念(DDA)は、NATOが集団防衛義務を果たすために平時、危機時、戦時においてどのように活動するかを定義しているものである。また、DDA では、NATOが考える2つの重要な「脅威」であるロシアとテロリスト集団に対処するために必要な手段についても述べられている。
地域計画(RP)は、NATO が特定の地理的地域をどのように防衛するかを説明するものであり、またNATO加盟国の国防計画を組み合わせたものである。
機能計画または戦略的補助計画は、戦域において軍隊を実質的に管理するために提供されるものである。
兵力構造要件とは、DDAとRPを実施するための兵力と手段の数を定義するものである。
戦力モデルは、NATO全体で高い即応性を持つより多くの兵力を生み出すために必要なものを算出するもの。1年前の兵士 4万人から兵士30万人を厳戒態勢に置くことが可能になったのは、この概念によるものだった。
これよりも前、ベン・ウォーレス英国防相は、2030年までに中露と直接戦争する恐れがあるとの考えを示した。ロシアは、西側諸国がウクライナでロシアに対して宣戦布告なき戦争を行っていると繰り返し述べている。ロシアのショイグ国防相は、ロシアと接するウクライナ側の国境にNATOが軍隊を追加配備していることから、NATOの軍事活動が攻撃的なものになっているとして警戒を強めている。
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