同誌によると、退役した複数人の独空軍の元パイロットらが中国に滞在している。彼らは2016年に米国で中国のスパイとして拘束されたスー・ビン氏のダミー会社「Lode-Tech」を介して、中国軍のインストラクターとして働いているという。なお、スー・ビン氏はその後、北京でスパイ容疑で捕らえられたカナダ人の夫婦と囚人交換で解放されている。
「シュピーゲル」に対して独国防省は次のように回答している。
「中国は外部の組織を使い、北大西洋条約機構(NATO)の元パイロットをインストラクターとして募ろうとしている。独軍の元パイロットも例外ではない」
元独空軍のパイロットたちは単に基本的な操縦スキルを教えるだけでなく、戦術や技術的スキルまでも中国側に流してしまうリスクがあると問題視されている。
同誌によると、訓練は東北部黒竜江省のチチハルにある軍飛行場で行われている。独国防省は、元パイロットらが専門的な軍事知識や機密の作戦戦術を流出させ、さらには台湾への侵攻シナリオを作成した恐れさえあるとみなしている。
また、パイロットらは彼らが41歳を過ぎてから受給できる年金の倍額にもあたる報酬を、中国側から受け取っているという。
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