スナク氏は7〜8日にかけてのワシントン訪問を利用して、バイデン氏にウォーレス氏のNATO事務総長就任に向けて支持するよう説得する予定だという。
またスナク氏は、先のG7広島サミットの傍ら、ウォーレス氏のNATO事務総長就任という話題をすでに提起していたことが指摘されている。
ウォーレス氏は、ウクライナ支援のための国際的な支援体制を構築する上で中心的な役割を果たしていることや、英国の防衛費をGDPの2.25%まで引き上げたことにより、米国で人気を博していると筆者は強調。一方で、フランスやドイツがウォーレス氏のNATO事務総長立候補を支持しない可能性があることにも言及している。さらに、多くのNATO加盟国が、NATO事務総長としては「初の女性」となりうるデンマークのメッテ・フレデリクセン首相を有力視しているという。
5月中旬、ウォーレス氏はドイツ通信社(DPA)とのインタビューに対し、NATO事務総長への就任に関心があることを表明した。同時に、ウォーレス氏は英国防相という現在の立場にも満足していると明らかにしたという。
現NATO事務総長のストルテンベルグ氏は2022年10月1日に退任する予定だったが、同年3月、加盟国首脳らは同氏の任期を2023年9月30日まで延長することを決定。ストルテンベルグ氏自身は12月、任期を延長する予定はなく、2023年9月末まで在任すると明言した。
その後、米紙ポリティコはEU(欧州連合)とNATOの外交筋の話として、ストルテンベルグ氏は「留任を望んでいる」と報じた。4月には、新事務総長の立候補に関する交渉に詳しいのスプートニク通信の情報筋も、NATOの主要メンバーがウクライナ紛争に対するストルテンベルグ氏のアプローチを肯定的に評価しているため、同氏の任期が延長される可能性があると述べた。
一方、ストルテンベルグ氏自身は5月中旬、退任後の10月にそのような申し出を受けたとしても、新たな任期まで留まるつもりはないと述べた。
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