実証実験を行うのは英調査機関「Autonomy」で、首都ロンドン北部のイースト・フィンチリーとイングランド北東部のジャローに住む30人が対象になる。
毎月支給される1600ポンドの使い道は自由で、その他いかなる制限も課されない。2年間、もし労働意欲がなければ働かずに過ごしてもいい。仕事を続ければこれまでと同じように給料を受け取りながら、毎月1600ポンドのボーナスが貰えることになる。実験の間は、ベーシックインカムが人々に与える影響を評価するため、「Autonomy」が被験者を観察する。
実験の責任者を務める「Autonomy」のウォール・ストロング氏は、1600ポンドは「非常に大きい」と話す。
「ベーシックインカムは生活に最低限必要なものをカバーしているが、我々が見たいのは、この無条件に与えられる大金が人々の精神・肉体的健康にどのような影響をもたらすのか、人々が仕事を続けるのか否かということだ」
「Autonomy」の専門家らは、「気候変動や技術的エラー、産業の再編などを考慮すれば、近い将来、いずれにせよ社会には何らかの形でのベーシックインカムが必要になる」とみなしている。このため、今のうちから制度の効率性やメリット、デメリットなどを研究し準備することが重要なのだという。
これまでにベーシックインカムをめぐっては、ロシア、ドイツ、インド、カナダ、米国、ケニアなど世界の様々な国々で実証実験が行われてきた。英国では現在、ウェールズでも同様のプログラムが行われている。日本でもベーシックインカム導入の議論はみられるものの、具体化には至っていない。
これまでにスプートニク通信は、韓国政府が引きこもりの若者を支援するため、毎月65万ウォン(約6万8500円)の支給を決めたことを伝えた。
関連ニュース