【視点】混沌とした国内経済 米国は中国との接近を図る=中国人専門家

米国のアントニー・ブリンケン国務長官は14日、中国の秦剛外相と電話会談した。中国国営放送「中国中央電視台」が伝えた。会談では両国の開かれた意思伝達ラインを維持することの重要性について議論された。また、中国側は米国に対し、内政に干渉しないよう求めた。
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会談のあと中国外務省は、ブリンケン国務長官が18~19日の日程で訪中すると発表した。こうした動きについて、中国人民大学国際関係研究所所長の王义桅(ワン・イーウェイ)氏は、スプートニク通信に対し、現在米国が中国へのアプローチの再考を迫られていると語った。
王氏によると、米国のビジネス界は、中国市場を重要視しており、政治と経済を分けて考えるよう求めている。つまり、経済発展の正常な原則と市場原理に基づくべきだと主張しており、「イデオロギー化」されたインド太平洋戦略を忌避しているのだ。
さらに、米国は1年後に大統領選挙を控えている。現職のジョー・バイデン大統領の対抗馬は、ドナルド・トランプ前大統領になる可能性がある。トランプ氏は再戦されればロシアとウクライナの紛争を直ちに止めると宣言している。
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王氏は次のように指摘する。

「バイデン大統領は今、主に2つの圧力に直面している。1つ目はロシアとウクライナの紛争解決に中国の支援を受ける必要性だ。米国は中国が積極的な役割を担うことを期待している。

 2つ目は経済と公的債務の問題だ。債務上限は引き上げられたものの、根本的な問題解決にはなっていない。米国は中国が公債を購入し続けてくれることを願っている。また、実際に米国経済の混沌とした状況は、米国自身が招いたサプライチェーンの分断と密接に関連しており、このことから米ビジネス界からの圧力も高まっている」

こうした事情を背景に、中国は米国との接近を期待していると王氏は締めくくった。また、今回の米中外相電話会談は新たな意思疎通の断絶を招かないために行われ、今後の対話や多国間対話の場での協力(秋のG20サミットやAPECサミットなど)に向けた出発点となる可能性があると付け加えた。ブリンケン国務長官の訪中が、台湾情勢や「偵察気球」騒動でぎくしゃくした米中関係を正常に戻すきっかけになるのかが注目されている。
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