米国はウクライナ紛争に日本を引き込むためにどのような手段を用いているのか、またなぜ日本がこれを必要としているのか、「スプートニク」が、雑誌「祖国の兵器」の編集長を務める軍事アナリスト、アレクセイ・レオンコフ氏にお話を伺った。
「ウクライナ支援を格好の口実とした米国への榴弾砲の供与は、日本にとって攻撃兵器の輸出に対する厳しい制限を回避するための絶好のチャンスです。日本政府はまず、自衛隊が世界各地の平和維持活動に参加することを可能にするような憲法改正を行いましたが、今度は紛争地帯に榴弾砲を供与するという話にまで進展しています。これはすべて日本をNATOという軍事ブロックに引き入れるためのものだと思います。そして今、わたしたちは、それに向けた具体的な行動がとられているのを目の当たりにしているのです」
日本の米国への榴弾砲供与について言えば、米国は実際にこの榴弾砲の必要に迫られている。供与されるのは数十万、あるいは数百万規模の榴弾砲で、これについてレオンコフ氏は、これはウクライナ軍を支援するためキエフに早急に送る必要があるものだと指摘する。
「しかし、米国の工場がいかに努力しても、年間20万門以上の榴弾砲を生産することはできないのです。欧州諸国も複数の理由からこの課題を遂行することはできません。ですから米国にとって日本の協力は重要なのです。また数百万の榴弾砲が、世界中に配置されている米国の弾薬庫に保管されています。依然として米国の管理下にある日本国内にもあります。米国が日本の島々に基地だけでなく、弾薬庫も設置しているのはこのためです。予想される軍事行動の地点に比較的近く、便利だからです」
レオンコフ氏はさらに、米国の管轄下にあるこのような弾薬庫はイスラエルにもあると付け加え、そこからもウクライナへの供給が行われていると指摘している。
「つまり、日本もイスラエルも、これらの弾薬庫に保管されている砲弾の使用については何も言えない立場なわけです。ですから、日本もイスラエルも、ウクライナへの殺傷兵器の供与に対するあらゆる非難に対し、米国が自国の弾薬庫から砲弾を移動させただけだと答えることができます。日本社会がこの供与について、状況を理解し、冷静に受け止めることができるとしたら、これは政府にとっては重要なサインとなります。つまり、日本は更なる軍事化に向けて動くということです」
最後にレオンコフ氏は、とはいえ、日本の自衛隊はすでに、防衛だけでなく、完全な攻撃を行うことができる本物の軍事組織であると締めくくっている。