フリーマン氏は、台湾有事のリスクについて問われると次のように述べた。
「米中関係の突破口は見つからなかった。戦争の脅威も下がらなかった」
フリーマン氏は、ブリンケン国務長官訪中の任務は「米中関係の強化」ではなく、5年ほど前から始まった経済戦争を受けて「どん底まで落ちた」両国の関係を安定化させることだったと指摘。この点では、必要最低限の目的を果たせたと評価している。
さらに、フリーマン氏は「米中の誤解によって生じうる悲劇的結果を恐れる国際社会の懸念を和らげるためにも、ある程度丁寧な対話は必要不可欠になる」と続ける。この意味で今回の訪中は、「最低限度の基準」を満たしたものとなったと締めくくっている。
また、米政治紙「ポリティコ」も、ブリンケン国務長官と秦剛外相は数カ月に及ぶ交渉を重ねたが、「ほんの少しの進展」しかなかったと否定的な評価を下している。
「ブリンケン国務長官の会談結果の曖昧性は、今回の課題にほとんど進展がなかったことを示している」
同紙は、今回の会談では「台湾海峡をめぐる緊張の高まりや、米国で不当に拘束されている米国民の問題、ウクライナ紛争とロシア」については中身のある成果が出せなかったと指摘している。
ブリンケン国務長官は18、19日の日程で中国を訪問し、習近平国家主席、中国外交トップの王毅・政治局員(中国外事工作委員会弁公室主任)、秦剛外相らと相次いで会談した。
米中は台湾の独立を認めない「1つの中国」政策を改めて確認したほか、秦外相の訪米や米中のハイレベル交流の維持などで一致した。一方、米中の偶発的衝突を避けるための国防当局者間の対話再開では合意に至らなかった。
関連ニュース