ネタニヤフ首相はウクライナへの軍事支援を拒む理由の一つとして次のように説明している。
「どんな装備でさえウクライナに渡せば、我々自身に対して使われるという懸念がある。なぜなら、それらはイランの手に渡る可能性があるからだ」
また、ロシアとの関係についても理由として挙げた。ネタニヤフ首相は「我々はロシアと軍事的境界線を有している。イスラエルのパイロットはシリア上空でロシアのパイロットの近くを飛んでいるからだ」と指摘している。
さらに、イスラエルは紛争終結を望んでいると強調。将来的には和平を促進する「理論上」の可能性もあると加えた。だが、具体的にどのような方法かについては言及しなかった。
露軍事評論家のイワン・コノワロフ氏は、ラジオスプートニクに出演したなかで次のように語っている。
「北アフリカや熱帯地域を含むアフリカ諸国など、武器拡散のコントロールが弱い場所で武器が出てきているとのたくさんの証拠がある。アジアでも一部確認されている。中東地域に関しても、2014年以降、主な武器の移転先となっている」
また、コノワロフ氏は、歩兵用の武器や小型の防空システムは転売されることが最も多く、追跡が困難となっていると指摘した。
圧力のもとで
ロシアのウクライナにおける特殊軍事作戦の開始以降、ウクライナは対空防衛システムを含む兵器の供与をイスラエルに度々求めてきた。だが、イスラエル政府は全ての要求を一貫して拒否している。
2月、イスラエルは国産のミサイル迎撃システム「アイアンドーム」やミサイルやドローン攻撃の警報技術をウクライナに供与する可能性を示唆した。ウクライナメディアの報道によると、6月にはポーランド国内で、ウクライナ兵を対象とした空襲警報システムの使用方法に関する訓練が始まったという。
このほか、イスラエルメディアは6月中旬、イスラエル政府が「欧州の2カ国」に対し、退役した戦車「メルカバ」200両を販売する計画があると伝えた。専門家はこの国々はポーランドやウクライナである可能性があると指摘している。
一方、米メディア「Axios」は17日、イスラエルのガラント国防相が米国のオースティン国防長官と会談した際に、殺傷能力がある軍事支援を行わないと伝えたと報じている。
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