なぜ西側諸国はロシアの新型ミサイル「サルマト」を「サタンII」と呼ぶのか、そしてなぜロシア軍人はなぜこれを極限まで使いたくないのか

プーチン大統領は、核弾頭を搭載できる新型大陸弾道間ミサイル「サルマト」が、三元戦略に基づいて核戦力として追加されることを発表した。これに対して西側メディアは無関心ではいられなかった。マスコミはプーチン氏の言葉は「恐怖を呼び起こす」とし、サルマトを悪魔の産物と呼んだ。英国のタブロイド紙「デイリー・メール」は、10個の核弾頭を搭載したサタンIIミサイル、すなわちサルマトがロシアから英国に到達するのに要する時間はわずか3分だと計算している。
この記事をSputnikで読む

サルマトとは何か?

RS-28サルマトは、ロシアの液体燃料を用いる大陸間弾道ミサイルで、10から15個の独立誘導式多弾頭を搭載し、射程は最大18000キロメートル。地球上のほぼ全域が攻撃対象となる。サルマトはまた、敵の対ミサイル防衛を撹乱し欺くために、最大20個の「アバンギャルド」極超音速グライダーや、ダミー弾頭を含む弾頭などを搭載することができる。
サルマトは、壊滅的で致命的な反撃を受けることなく、米軍があらゆる種類の兵器でロシアに奇襲攻撃を仕掛けるのを防ぐことができる。「原子力科学者会報」によると、サルマトの各弾頭の爆発量は最大500キロトンと推定される。比較材料として、1945年8月の広島と長崎への米国の核攻撃は、それぞれ15キロトン、21キロトンの爆発力しかなかったが、両都市を破壊し、22万5000人以上が死亡した。サルマトは、2023年の年末までに実用化される予定だ。
露の最新大陸弾道弾ミサイルRS-28に実験で米国は核三原則の刷新を迫られる マスコミ

米国にサルマトに匹敵するミサイルはあるか?

ロシアの軍事専門家ヴィクトル・リトフキン氏は、今のところサルマトに匹敵するミサイルは米国にはないと考えている。リトフキン氏によれば、米国の大陸間弾道ミサイル・ミニットマンはあらゆる点でサルマトに劣るという。第一に、ミニットマンが3発であるのに対し、サルマットは最大16発の核弾頭を搭載する。第二に、米国の大陸間弾道ミサイルとは対照的に、サルマトはそれぞれの核弾頭が独自の目標を持ち、予測不可能な軌道に沿って移動し、コースや攻撃角度を空中で自由に変化させる。第三に、ミニットマンの射程は1万3000キロを超えないが、サルマトのそれは1万8000キロに達するため、ロシアの新型大陸弾道間ミサイルは北極と南極の両方を通ってさえも目標まで飛ぶことが可能である。「そして、我々の潜在的な敵国である米国は、南部に全くミサイル防衛手段を持っていない」とリトフキン市は強調している。
スプートニクはこれより前、ロシアの極超音速ミサイルである「キンジャール」「ジルコン」「アバンギャルド」を米国が恐れているとお伝えした。
関連記事:
米国防総省 極超音速ミサイルの発射テストに成功
中国 ジャンプ台からスペースシャトルを極超音速で発射させる実験を実施
コメント