開発を行ったのはセチェノフ医科大の再生医療研究所、ロシア保健省、ロシア科学アカデミーシベリア支部バイカル自然利用研究所の科学者チーム。新ポリマーは、3Dプリンターの部材のひとつで、形状記憶を持つ3D構造体が印刷できる。3D物体がこのような先端材料で構成されている場合、その物体に第4の次元が追加され、形は時間の経過とともに変わる。つまり、温度、光、酸性度、湿度などの環境パラメータが変化すると、物体は「プログラムされた」形に戻ることができる。これは自己組織化材料をプログラミングし、創造する可能性を開く。
ロシア開発の新ポリマーはすでに市場に出ている同種のポリマーよりも耐久性に優れている他、最高462~541℃の高温や放射線の作用にも耐える。こうした特性から、宇宙用のアンテナやソーラーパネルの他、低軌道上で動作する構造物への使用に理想的。
新ポリマーは軽量で製造時に出る廃棄物が少ないため、金属や合金に競合できる。これらのポリマーを使った4D印刷は、射出成形やフライス加工といった従来の工業的手法に取って代わる可能性がある。4D印刷された平らなシートをプログラムに従って折りたたみ、家具の部材を作る実験がすでに行われている。
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