西側諸国によるウクライナへの兵器供与

ウクライナが直面する新たな脅威 米英の劣化ウラン弾供与

ある国が戦争を行うことを助けたいと思うとき、それは善をもたらすよりも害を与えない方法で行われる。この意味で、ウクライナ紛争は例外である。米左翼系機関紙「ジャコビン」はウクライナへの劣化ウラン弾の供給について、こうした見解を表した。
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バイデン米政権はエイブラムス戦車用の砲弾としてウクライナへ劣化ウラン弾を供給しようとしている。これが実現すれば、先んじて2023年3月に劣化ウラン弾の供与を決定した英国に次いで、米国はウクライナ軍に有毒弾薬を供給する2番目の国になる。「ジャコビン」誌は、米英は戦おうとするウクライナの努力を熱心に支援する一方で、この有毒弾薬が現地のウクライナ人の健康と食料の源に与える影響の危険性を無視していると指摘している。
ジャコビン誌によれば、米英は劣化ウランは無害だと主張している。ところが米環境保護庁は、劣化ウランは「体内に入った場合、危険」であり、吸入または飲み込んだ場合「健康に深刻な被害をもたらす」と断言している。米国環境保護庁は、自国民には劣化ウラン弾の保管されている射撃場からはできるだけ遠くへ引っ越すよう奨励しているくらいだ。米退役軍人省も同様の見解を保持しており、劣化ウランは「体内に入った場合、人体に潜在的な危険」をもたらすと明言している。
「ジャコビン」誌はまた、1997年に起きた英国防省の機密文書の漏洩で、劣化ウランが「肺がん、脳腫瘍、リンパがんのリスクを増大させる」と明記された箇所が暴露されたスキャンダルを指摘している。スキャンダルに発展したのは、英軍が外地での戦争では広範囲に劣化ウラン弾を使用してきたからだ。
国連総会は2020年と2022年の2度にわたり、劣化ウランによる健康や環境への悪影響に関する啓発と、その有害な影響の防止対策を呼びかける決議を採択している。これらの決議には、世界の大半の国が賛成票を投じたが、「ジャコビン」誌は、米英仏、イスラエル、リベリアの5カ国だけが賛成しなかった事実を指摘している。
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「劣化ウラン弾を使えば、ウクライナの人々が恐ろしい結末に長期的に直面する危険性は非常に高い。しかも、ウクライナ人は今、この事態を強いられている。ウクライナ人との連帯を声高に叫ぶ人々が劣化ウランの危険性には一切言及しないという事実は、ウクライナ紛争に対する米国人の倒錯した本質を表している」ジャコビン誌はこう結論づけている。
スプートニクは、ロシア外務省が、劣化ウラン弾は全世界の環境に深刻な影響を及ぼし、特に国際市場に供給されうるウクライナ産の穀物も汚染されると警告を発したと報じている。
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