韓国の聯合ニュースによると、報告書は韓国の規制機関「原子力安全技術院」が中心となり、2021年8月から行った調査をもとにまとめられた。報告書では次のように指摘されている。
「東京電力の汚染水処理計画が計画通り行われれば、(編注:放射性物質の)排出基準と目標値に適合し、IAEAなどの国際基準に合致する」
記者会見を行った方文圭(パン・ムンギュ)国務調整室長は「この意見は東電の処理計画が遵守される前提で検討されたもの」と強調。今後の放出計画の進捗を確認したあと、最終的判断ができるとの見解を示した。
一方、放出計画に強く反発する中国は、対抗措置として日本産食品の輸入禁止措置を拡大する姿勢をみせている。
中国税関当局は7日、SNSの公式アカウントで、「福島を含む10県(都)からの食品輸出を禁止する」と発表。だが、中国はすでに10都県からのほぼ全ての食品の輸入停止措置を取っており、変更や拡大があるかは不明。また、その他の地域からの輸入についても、特に水産物の証明書の確認や放射線の検査を強化するとした。
今月4日、国際原子力機関(IAEA)のラファエル・グロッシ事務局長が来日し、処理水放出計画は「国際的な安全基準と一致し、人や環境への影響はごくわずか」と評価した報告書を岸田文雄首相に手渡した。
これまでに韓国政府はIAEAの評価に理解を示しているが、中国は報告書が「海洋放出への通行証とはならない」と強く反発している。一方、日本の松野博一官房長官は6日の会見で、処理水に含まれるトリチウムの年間放出量は、中韓両国を含む海外の多くの原発に比べて低い水準だと指摘した。
スプートニクは海洋放出が日本の水産業にもたらす影響について、当事者である業界関係者に話を聞いた。
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