アフザロフ大将によると9日、ウクライナ軍はロシア領のクリミア半島、南部ロストフ州、カルーガ州の目標に対して、地上攻撃用に改造された対空防衛システム「S200」のミサイルを発射した。少なくとも4発のミサイルが飛来したが、ロシア軍によって撃墜、または電子戦装備で無効化された。けが人や被害はなかった。
ミサイルの飛来した方向などから、ウクライナ側はケルチ海峡にかかるクリミア大橋や、ロストフ州、カルーガ州内の軍用飛行場を狙っていたとみられる。
報告を受けたゲラシモフ参謀総長は、S200の発射位置や保管場所を特定し、先制攻撃による撃破を指示。また、軍事施設の対空防衛能力を高める追加の対策をいち早くとるよう命じた。
クリミア大橋は昨年10月、ウクライナによるテロ攻撃を受けて橋の一部が崩落。少なくとも民間人ら男女4人が犠牲となった。これまでの捜査で、テロにはウクライナ国防省職員が関与していたことが明らかになっている。
また、先月22日にはウクライナ軍がヘルソン州とクリミア半島の境界にある別の橋を攻撃。路面が損傷するなどしたが、橋脚の崩壊は免れた。攻撃は英国が供与した「ストームシャドウ」で行われたとみられている。
関連ニュース