ウクライナのNATO加盟 米独、正式申請の阻止図る=独報道

北大西洋条約機構(NATO)加盟国の首脳サミットが11、12日にリトアニアの首都ビリニュスで行われる。招待を受けたウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、自国のNATO加盟を正式に申請し、紛争の終結と数年の時間が求められる長い道のりに一歩を踏み出したい考えだ。だが、独誌「Bild」が関係者の話として伝えたところによると、ドイツや米国といった「重要なNATO加盟国」がこの申請を阻止しようとする動きもあるという。
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米独両国は「2008年のブカレスト(ルーマニア)で開かれたNATOサミットの結果として採択された声明の枠を超えないもの」を望んでいる。2008年の声明では、NATOが「加盟を目指すウクライナとグルジア(ジョージア)の欧州大西洋的な熱望を歓迎する」と、象徴的な表現にとどまっている。
Bildによると、ドイツと米国は他のNATO加盟国も両国の立場を支持するよう、圧力をかけているという。
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ウクライナは手ぶらで帰るか?

これまでにウクライナのドミトロ・クレバ外相は、ウクライナとNATOの合意について発表。ビリニュスでのサミットの後、ウクライナ加盟への道のりは「短くなり、非常に重要な結果」となると述べている。一方、クレバ外相はNATOからの「招待」には具体性、明確性が欠如していると不満も表明した。
8日にはゼレンスキー大統領と会談したトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領が、ウクライナは「加盟に値する」と発言した。
一方、NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は7日、新たな協力のフォーマット「ウクライナ―NATO評議会」の第1回会合を行うと明らかにした。米誌「ウォール・ストリート・ジャーナル」によると、従前の「ウクライナ―NATO委員会」で加盟諸国の弟分のように扱われていたウクライナが、新たな枠組みでは加盟決定まで対等なパートナーになるという。
また、英紙「フィナンシャル・タイムズ」は、NATOサミットでウクライナ支援に関連する大規模な構造的枠組みを創設するという合意が発表される見込みだと報じている。
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