イラクのスウェーデン大使館をデモ隊が放火 何が起こったのか

イラクの首都バグダッドで20日未明、イスラム教の聖典「コーラン」を燃やす行為に反発するデモが行われ、一部が暴徒化してスウェーデン大使館を放火した。スプートニクはこれまでに分かっていることをまとめた。
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事件の流れ

ロイター通信が目撃者の話として伝えたところによると、20日未明、数百人から成るデモ隊がバグダッドのスウェーデン大使館になだれ込み、建物を放火した。スウェーデン外務省によると、大使館員にけがはなく連絡が取れているという。イラク治安部隊は、放水車やスタンガンを使いデモ隊を鎮圧した。

コーラン焼却めぐり対立

抗議デモはスウェーデン・ストックホルムで予定されていたコーランを燃やす運動を前に行われた。AFP通信などによると、スウェーデン警察当局はこれまでに、ストックホルムのイラク大使館周辺で活動家がコーランを燃やすデモの実施を許可していた。
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この活動家らは、6月末にもストックホルムの大モスクの前で、コーランを破り燃やすデモを行っていた。これとは別にスウェーデンでは1月末、右翼過激派の指導者がトルコ公館前でコーランを焼却し、イスラム諸国の反感を招いていた。スウェーデンのウルフ・クリスターソン首相はこれまでに、コーラン焼却を容認した警察の決定について「合法ではあるものの、不適切」と述べていた。

両政府の反応

イラク外務省は放火事件を非難する声明を発表。また、政府が治安当局に対し、迅速な捜査を進め経緯の解明や犯人を特定するために必要な全ての措置を取るよう命じたと強調した。
一方、スウェーデン外務省は事件について、外国公館の平穏などを定めた「外交関係に関するウィーン条約」に著しく違反するものだと非難。イラク政府には外交官らを保護する責務があるとして、適切な対応を求めた。
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