研究者らは「2頭は死闘を繰り広げた結果、しっかりと組み合わさってしまった。これは肉食の哺乳類が恐竜を襲っていたことを初めて示した直接的な証拠のひとつだ」と書いている。研究者らによれば、化石の保存性が極めて高いことが幸いして、この死闘が行われたのが火山の噴火時で、2頭は瞬時に死に、長い間、火山の表面を覆う地層の中に閉じ込められていた。2頭の化石が発見されたのは通称「恐竜のポンペイ」と言われる地帯で、ここでは複数の火山の噴火の結果、地表に近い地層に恐竜、哺乳類、トカゲ類、両生類などの古代の動物が夥しい数、火山灰に閉じ込められ、化石化している。
2頭のうち1頭はプシッタコサウルスと断定された。プシッタコサウルスは草食の恐竜で体の大きさは大型犬とほぼ同じ。もう1頭は肉食の哺乳類のレペノマムス。姿はアナグマに似ている。レペノマムスはプシッタコサウルスよりは少し小型ではあるものの、白亜紀の哺乳類では最大。
哺乳類の肉食動物が恐竜を捕食していたことは、これまでにレペノマムスの化石がプシッタコサウルスの死体が胃に入った状態で発見されていたことから科学者たちに知られていた。今回の発見は、獲物を殺す過程そのものが示されたことに価値がある。科学者らは化石を詳細に調査した結果、レペノマムスがすでに死んでいたプシッタコサウルスを食べようとした可能性はないと断定した。捕食者レペノマムスの胴体は上にあり、その顎は恐竜の肋骨の上で閉じられ、前肢はプシッタコサウルスの下顎をつかんでいる。同時にレペノマムスの後肢はプシッタコサウルスの後肢を掴んでいることから、科学者らはこれは積極的に攻撃が行われたことを示していると書いている。
スプートニクは、米国で川で釣りをしていた男性が偶然に9000万年前の捕食魚の化石を発見したニュースを報じている。
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