【特集】ロシアの幻のキノコを求めるハンターが日本にもいた!「チャーガ」の生命力と食の安全についてインタビュー

近年、そばの実や天然はちみつなど、ロシアの自然食品が少しずつ日本に広がっている。中でも、その入手困難さから森のダイヤモンドとも言われる幻のキノコ「チャーガ」は、免疫力増強や抗酸化作用などの幅広い健康効果で注目されている。このチャーガの輸入販売を手がけているのが、グローバルデベロップメント株式会社の油屋康社長だ。チャーガの輸入業者は複数あるが、自らシベリアまで行って品質を確かめ、さらにチャーガの採取までしている日本人は他に類を見ない。油屋さんとチャーガとの出会い、チャーガの見分け方や注意すべきポイント、ロシア食品の輸入計画などについて話を聞いた。
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ソ連時代から様々なロシアビジネスに精通していた油屋さん。チャーガを輸入するきっかけになった出会いについて、油屋さんは振り返る。

「2018年の末に、知人を通して伝導工業株式会社・渡辺利夫社長と知り合いました。彼に、チャーガは世界でダントツの生命力を持ったキノコなので、日本に輸入してはどうかと言われたのが、チャーガに携わるきっかけでした。当時の私はウラジオストクを頻繁に訪れる機会があったため、市場で仕入れて持ち帰ったチャーガを、伝導工業の『超粉体加工技術』で5ミクロンまで粉砕し、パウダーにしました。これを周りのがん患者や糖尿病の友人に配ってみると、短期間で効果が出てとても喜ばれました。

糖尿病の判断には、Ha1C(ヘモグロビン・エイワンシー)という指標が使われます。6.5以上は糖尿病と判断されるのですが、私の友人の場合、15.3あった数値が1か月で10.4になり、今では6.0にまで下がりました。また、肝細胞がんが再発した私の柔道の師匠は、抗がん剤の副作用がひどく、チャーガを勧めたところ、がん細胞が壊死し、主治医の先生がひどく驚いていました。こういったことが続いたので、これは良いものだと直感しました」

ロシアで集められ、梱包・出荷を待つチャーガ
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とは言え、チャーガはあくまでロシアに伝わる民間療法、食品であって、薬ではない。健康被害がなくても「がんに効く」「糖尿病が治る」という謳い文句で販売した業者が書類送検された例もある。この兼ね合いについて油屋さんは、「薬機法の問題はあります。ただし、重度の患者さんであればあるほど、作用機序(薬が生化学的作用によりどのように効果をもたらすか)よりも、結果が出るかどうかを求めている」と言う。チャーガは、口コミや、医療関係者が発信するSNSなどを通して、徐々に知られ、日本で受け入れられるようになってきた。

「チャーガを評価する医師の中には、西洋医療の専門家である、篠浦伸禎氏(都立駒込病院・脳神経外科部長)もいます。彼は西洋医療だけでなく統合医療を目指している方です。現代医学や栄養学などは、すべて『成分』で片付けようとしています。もちろん成分は重要ですが、それよりもその個体自体が持っている生命力や波動力、つまりはエネルギーの方が重要であると、篠浦氏は指摘しています。なぜ日本人は春になるとタラの芽を食べるのでしょうか。それはタラの芽に息吹、生命力が凝縮されているからだと指導を受けました。西洋医学の盲点は、波動医学や量子医学を全く否定している点です」

チャーガは15年ほどかけて成長するため、中には特大サイズも
油屋さんのもとには、チャーガを買い求めた人たちから、感謝の声が寄せられている。中には、10代の女性が重度のアトピーで外出もできなかったが、体質が改善した今では外出が楽しみになり、ファッションを楽しめるようになったという報告もあった。油屋さんは「こういう声を頂く時が一番嬉しく、チャーガ冥利につきます」と喜ぶ。また、個人の実体験の集積ほど大事なものはないと考え、様々な症状が緩和、改善された例を集めて、それらを紹介していく活動を行っている。
ところで、日本の通販サイトでチャーガを見てみると、価格もまちまちで、何を基準に選ぶべきかよくわからない。油屋さんによると、「混ぜ物」がしてある場合は要注意だという。

「自社で販売する前に、国内外のチャーガを色々と試してみました。アメリカ産のものは非常に価格が安かったのですが、開封した途端にケミカルの匂いがしました。やはり二級品、三級品は、混ぜ物がしてあります。また、チャーガの産地は非常に重要です。寒暖差が非常に激しい自然環境であればあるほど、品質が良いと言われています。チャーガは、自然環境が厳しい中で生き延びてきた白樺の樹液を20年間かけて吸い尽くし、育ちます。これこそエネルギー、つまりは生命力の凝縮体です」

寒暖差が特に大きいシベリア・アルタイ産にこだわる油屋さんは、この夏も自らシベリアに赴き、森の男・チャーガハンターたちと行動を共にして、チャーガを探した。チャーガが寄生する白樺は2万本に1本とも言われており、ハードな旅の中で、質の良いチャーガを見つけるのは至難の業だ。それでも油屋さんはチャーガを発見し、自ら採取した。それらも含め、7月、日本に7トンのチャーガを輸入した。
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ロシアからこの状態で日本へ輸入される。天然100%のチャーガ
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チャーガは白樺の森で育つ
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チャーガを採取する油屋康さん
油屋さんは、ロシア産の食品は遺伝子組み換えでないことに注目し、大豆や小麦などの食品を日本へ輸入することも検討している。日本で食の安全が見直され、オーガニック給食事業も展開されようとしているが、現在の農家の供給体制では、オーガニック食品を安定して調達することは難しい。

「遺伝子組み換え種子が多く輸入されている現状では、本当に安全なものを子どもたちに提供することが難しいです。そこで、ロシア極東の遺伝子組み換えではない大豆などを輸入し、オーガニック給食事業を拡大し、子どもたちへの健康被害を防ぐようサポートできればと考えています。ウクライナ情勢をめぐり世界が分断されようとしている今だからこそ、日露間で相互にメリットがある事業を進め、実のある民間外交をすべきだと考えています」

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