ポリツク部長はベラルーシへの戦術核配備の背景には、米国やNATOによるロシア、ベラルーシへの軍事的圧力があったと説明する。
「ベラルーシへの戦術核配備は、NATOとワシントン(編注:米政府)の不安定化を招く長年の核政策や、欧州の安全保障分野における直近の大転換への対抗措置だ」
ポリツク部長は、これはロシア、ベラルーシ連合国家を防衛するために、強いられた決定だったと強調。戦術核の撤収の可能性については、次のように話す。
「ベラルーシ領からの戦術核の撤収は、米国とNATOがロシアとベラルーシの安全を故意に損なおうとする破壊的な方針を放棄した場合にのみ可能となる。これは欧州に配備された米核兵器を全て米国領に引き揚げ、関連インフラも全て撤去することである」
ロシアは5月から、ベラルーシ領内への戦術核兵器の移転を始めている。移転作業は今夏にも完了する予定。また、ベラルーシにはすでに核兵器運搬手段となりうるミサイル複合システム「イスカンデル」が配備されている。また、一部の戦闘機は核兵器を発射できるように改造された。
プーチン大統領は配備について、「米国がこれまで他国に自らの核兵器を配備してきたように、ロシアの核兵器をベラルーシに配備するだけだ」と説明。核兵器をベラルーシ軍に移譲するのではなく、在ベラルーシのロシア軍が運用することになる。つまり、これまでの米国の主張通りにいえば、核不拡散条約(NPT)に違反しないことになる。
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