エコノミストの取材によれば、こうした方法で作られた「おもちゃ爆弾」はですでに数万個に上る。なぜ「おもちゃ」などの形をしているかというと、ラトビア、ポーランドからウクライナへ入る際に税関では軍事物資としてではなく、「おもちゃ」として分類され、手続きが簡易化されるからだという。中には1週間に最多で1000個の外殻を3Dプリンターで制作する工房もある。
そうした工房のひとつを経営する、リョーシャと名乗る男性はエコノミストからの取材に、こうした「おもちゃ爆弾」を製作する際の詳細を明かした。リョーシャは仲間と共に800グラムの「うさぎ」爆弾を開発し、その外殻を3Dプリンターで制作して、ウクライナ軍に送っているという。「うさぎ」爆弾の殻は前線に到着すると、爆薬のコンポジションC-4 とスチール製榴散弾を装填されて、そこで爆弾として完成する。出来た爆弾はドローンなどの手段で空からばら撒かれる。リョーシャは、ウクライナ軍は「うさぎ」爆弾を高く評価し、週に1500個まで生産を伸ばすよう要請されたと明かした。
エコノミストによれば、こんな援助があってもウクライナの爆弾作りはサプライチェーンの問題から困難をきたしている。なぜならば爆弾の外殻は供給されても、補填する中身の製造は国内の複数の地域に分散しているからだ。エコノミストが取材した軍事専門家らは、こうした手製爆弾は完全には工場生産の爆弾の代わりを務めることはできないと指摘する一方で、ひとつ長所があるとすれば、製造費が安価ですむことだと語っている。
スプートニクは、戦場や緊急時に傷口を手当するための携帯用の銃型デバイスが、ロシアの研究者らによって開発されたと報じている。この銃は戦闘環境下にある移動病院で3Dプリンターで印刷することができる。
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