同紙の調査は、ロシア市場に進出していた欧州の主要企業176社を対象に行われた。資産評価額の減少、為替コスト、事業の売却や閉鎖、縮小で出た損失などが評価された。また、1000億ユーロという数字には、エネルギー資源やその他原料、製品などの高騰の影響は含まれていないという。
一方、日本は欧米に比べると撤退を急がず、様子見をする傾向にある。ロシアに進出していた日本の上場企業168社のうち、事実上の撤退や撤退計画を明らかにしたのは今年2月時点で27社と全体の16パーセント。G7のなかではイタリア(12パーセント)に次いで2番目に低い。
JETRO(日本貿易振興機構)によると、5~6月時点で「撤退済み・撤退の手続き中」とした企業は1社のみで、「撤退の動きは一段落した」と指摘されている。だが、残留する企業のうち66.2パーセントは事業を停止または縮小している。
ロシアはこれまでに、西側諸国は対露制裁の失敗を認める勇気がないと指摘してきた。西側陣営内部からも制裁の非効率性や自国への悪影響を指摘する声が相次いであがっている。
また、ウラジーミル・プーチン大統領は、「ロシアの弱体化を目的とした西側諸国の長期戦略によって、世界経済が深刻な打撃を受けた」と述べている。このように、米国や日本など西側諸国の政治家は、制裁の乱発で自国民を含めた世界の数億、数十億もの人々の暮らしを悪化させている。
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