両社の発表などによると、それぞれが50パーセント出資するエルエヌジージャパン社を通じて、権益の10パーセントを取得する。出資額は約8億8000万米ドル(約1260億円)で、2026年のLNG生産開始を見込む。
プロジェクトは2021年11月、豪エネルギー大手のウッドサイド・エナジー社が主導して発足した。最終的には年間800万トンの生産を見込み、そのうち80万トンが日本への供給となる。日本のLNG総輸入量は年間7200万トン(2022年)であるから、このプロジェクトだけで1パーセント以上を賄える計算となる。
また、スカボロ・ガス田のLNGは二酸化炭素含有率が非常に低く、生産過程での温室効果ガス排出量が比較的少ないという。そのため、環境負荷の少ないLNGプロジェクトとしても注目されている。
政府が発表したエネルギー白書によると、日本のLNG輸入に占める豪州の割合は42.7パーセント(2022年)となっている。豪州としても日本は最大のLNG輸出先だ。日本としては各地で権益拡大を目指してエネルギー安全保障を強化したい考えだ。
一方、日本が参画するLNGプロジェクトはロシアでも進んでいる。有名な極東の「サハリン・プロジェクト」以外にも、北極圏で準備中の「アークティックLNG2」は今秋にも稼働が開始する予定だ。本格的な生産が始まれば、年間200万トン以上の安価で安定的なLNGが日本に供給される。
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