研究者らは中国東部で見つかった、およそ30万年前のヒト亜科の顎骨、頭蓋骨、足の複数の骨の化石を分析した。顎骨にある稀有な特徴は、現在の人間や後期ヒト科の顎にある特徴を想起させるものだった。ところが、顎の欠如が明らかになったことは、より古い種との密接な関係を物語っている。化石は直立歩行をしていたホモ・エレクトスに一番近い。研究者らは化石の種を断定するためにまず、人類の絶滅種であるデニソワ人であった説は除外した。おそらく化石はデニソワ人でもホモ・エレクトスでもない、ホモ・サピエンスにより近い、第3のラインで、現在の人類と古代のヒト亜科のハイブリッドであった可能性がでてきた。研究者らによれば、こうした特徴の組み合わせの例は東アジアのヒト科ではこれまでに一度も見つかっていないことから、現在の人類に特徴的な骨格は30万年前にはすでに現れ始めていたと推測できる。関連記事