フィナンシャルタイムズは、現段階では、EU加盟国の多くはウクライナ受け入れのために必要な解決策を模索してはいるものの、EUの急進的な組織変革は避けようとしていると報じている。EUでは6月末、欧州の10の大国の首脳会合が行われ、この問題についての作業グループを創設することで合意に至った。
フィナンシャルタイムズは、ウクライナの加盟で損失を蒙る他の加盟国へ支払うEUの農業予算の配分の見直しも迫られると指摘している。ポーランドでさえ、自国の農家の抵抗を背景にウクライナ産穀物禁輸措置をすでに発動している。同様の措置は他の東欧諸国も講じている。フィナンシャルタイムズの消息筋の外交官は、「ウクライナはEUに加盟しないうちから、すでに統一市場に被害を与えている」とこぼしている。
EU内のフィナンシャルタイムズの消息筋らは、ウクライナの加盟は「仮説的段階にとどまっている」と主張している。ある消息筋は、ウクライナは欧州の最貧国にとどまり続け、その加盟はEU全体の予算にとっては実のない「シンボリックな結果」になるとの考えを示した。このように、フィナンシャルタイムズの消息筋らはウクライナのEU加盟の成就には懐疑的な姿勢を表している。
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