ウクライナに供与された軍事装備品の状況
The Messengerによると、ロシアの特別軍事作戦が始まってから米政府はウクライナにすでに470億ドルの支援を行っているが、バイデン米大統領は最近この目的のために130億ドル超の追加予算を米議会に要請した。現時点で米国はウクライナに戦車「エイブラムス」、地対空ミサイルシステム「パトリオット」、高機動ロケット砲システム「ハイマース」などの米国製の最も強力で高価な兵器や車両を供与している。その多くがすでにロシア軍によって破壊された。
キーティング氏は、ある推定によるとウクライナ軍の反転攻勢で使われた兵器の20%(西側兵器を多数含む)が、最初の2週間で損傷または破壊されたと指摘している。その後、ウクライナ軍は戦術を修正した。そして西側諸国は現在、ウクライナへの兵器供与に再び全力をつくすことになる可能性があるという。
軍事アナリストのフランツ=ステファン・ガディ氏はThe Messengerに対し、西側の同盟国は自分たちが提供した装備品がよりじょうずに使用されることを期待し、当初はウクライナ軍がうまく使いこなしていることに満足さえしていたと語った。一方、西側諸国は現在、ウクライナに供与した装備品が大量に失われていることに失望しているという。ガディ氏は「西側の複数の観察者は、ウクライナ軍が戦術技量を身に着け、他の部隊と協力してこれらの装備品を使いこなす能力を過大評価した」と考えている。
ウクライナは歩兵戦闘車「ブラッドレー」を急速に失っている
キーティング氏は、ウクライナ軍の反転攻勢で特に大きな打撃を受けた兵器の1つが米国製の歩兵戦闘車「ブラッドレー」だと指摘している。同氏によると、米国は「ブラッドレー」190台をウクライナに提供することを約束し、7月末時点でその約半数がウクライナ軍に引き渡されたと発表した。またキーティング氏は、ウクライナ軍の確認済みの損失に関するデータを引用し、少なくとも「ブラッドレー」23台がすでに破壊され、21台が損傷し、うち5台は兵士たちによって戦場に置き去りにされたと指摘している。
「装甲車『M113』60台以上、対地雷・伏撃防護装甲車『マックスプロ』57台、軍用貨物バン『ハンヴィー』100台以上も破壊、損失または失われた。これらの破壊された装備品の総額は、おそらく数億ドルに上る」
スプートニクは先に、ウクライナ軍は欧米から供与された軍事機器をあまりに多く失ったため、旧ソ連製戦車も使用せざるを得なくなっていると報じた。
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