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吸血鬼ドラキュラ伝説の起源が解明される

国際的な研究チームは、ドラキュラ伯爵のモデルとなった15世紀にワラキア公国(現在のルーマニア南部)を治めていたヴラド3世が、涙に血が混じる病気を含むさまざまな病気にかかっていた可能性があるという証拠を発見した。この「血」の涙がヴラド3世の冷酷さと相まって、伝説の起源となった可能性がある。研究論文がAnalytical Chemistry誌に掲載された。
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カターニア大学、スプリングスタイル・テック・デザイン社、ルーマニア国立公文書館、ミラノ工科大学からなる研究チームは、冷酷かつ残酷だったと言われるヴラド3世を苦しめていた病気について調査した。研究チームは、ヴラド3世が書いた手紙に残っていた皮膚からタンパク質とペプチドを採取し、分析した。
ヴラド3世が書いた手紙
研究チームは、ヒト由来のさまざまなペプチドを発見し、そこからヴラド3世が患っていた可能性のある多数の病気を特定した。たとえば、細胞や器官の機能を損なう遺伝性疾患である繊毛病の兆候や、気道や皮膚の問題を引き起す可能性がある炎症性疾患の兆候などが発見された。
また、涙管で血液が液体と混ざり、血の混じった涙が出る「ヘモラクリア」と呼ばれる病気をヴラド3世が患っていたと考えることができる化合物も見つかった。このような「血」の涙が、ドラキュラ伝説の起源となった可能性は十分にあるという。
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