米航空宇宙局(NASA)は今月5日と7日に強力な太陽フレアを観測した。NASAによると、7日に地球を襲ったフレアはXクラスという信じられないほど強力なものだった。このようなフレアによって宇宙飛行士は潜在的に危険な放射線にさらされるおそれがあるほか、人工衛星も損傷する可能性がある。物理学者のキース・ストロング氏によると、その日、太陽から放出されたX線と紫外線によって、米国とカナダの大部分で無線通信に障害が発生した。
今年2023年は、前年よりもたくさんのXクラスフレアが観測されている。これは太陽活動のピークが近づいていることに関連しているという。太陽の活動は約11年周期で、その間に高活動と低活動の状態を繰り返す。
太陽活動は2025年に次のピークを迎えると予想されているが、黒点の数とフレアの発生頻度が増加しているため、学者たちは次のピークの到来が早まり、2023年末になる可能性があると考えている。2012年から2014年に起こった前回の太陽活動のピークは、典型的な活動のピークに比べて比較的弱かった。
太陽放射は上層大気中の粒子を電離させ、オーロラを発生させる可能性がある。地球のその地域では高周波電波が伝播するため、強力なフレアは電波信号を弱める。また、より強力な太陽活動によって電力網が損傷し、人工衛星が破壊され、GPSに障害が発生するおそれもある。
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