プラスチックから石鹸を作るという発想はバージニア州総合技術大学化学学科のグオリャン・リュー助教授が思いついたもの。リュー助教授はプラスチックの化学成分が脂肪酸に似ていることに着目した。プラスチックとの比較は助教授が暖炉の前に座っている時にひらめいたという。
薪は繊維から成り立っているが、これは燃焼時に気体分子に分解され、それから完全に酸性化して炭素ガスになる。リュー氏は、ポリエチレンの分子をこの方法で分解し、完全に微粒な気体分子になる前にそのプロセスを停止すれば、ポリエチレンに似てはいるが、性質は脂肪酸に似た物質が得られるのではないかと仮定した。
リュー氏の先導で特製の炉が制作された。この炉はプラスチックを燃焼し、ポリマーのチェーンが完全に分解される前にそれを急冷することができる。炉で得られた茶色のワックスからは、変わった色ではあるものの、容易に石鹸を作ることができた。実験の詳しい内容についてはリュー氏はサイエンス誌に掲載している。
この方法はポリエチレンにもポリプロピレンにも対応できる。この2つはプラスチックの中でも最も使用普及度が高く、ゴミの50%以上を占めている。
スプートニクは、爆発波によるプラスチック廃棄物の処分で有毒化合物を放出することなく、プラスチックを最大限分解するというロシアのエニセイ・シベリア研究教育センターの研究成果を紹介している。
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