フランスとアラブ首長国連邦が共同で作成した決議案は、2017年から続くマリへの制裁を来年8月末まで1年延長するものだった。制裁の履行状況の確認や対象となる個人の選定を行う専門家パネルの活動も来年9月まで延長するとしていた。13カ国が賛成し、中国は棄権、ロシアが反対したため否決された。
一方でロシアは代案として、制裁を「最後の期間」として1年延長することを認め、専門家パネルは直ちに解散させる決議案を提出。ロシアが賛成、反対は日本のみだったが、残りの13カ国が棄権し規定の9カ国の賛成に届かなかったため採択されなかった。
マリでは2020年、軍によるクーデターが発生。大統領と首相は拘束され、辞任と議会解散に追い込まれた。その後、現在に至るまで移行政権が続いている。
アフリカでは近年、旧フランス植民地でクーデターが相次いでいる。マリ、ギニア、ブルキナファソのほか、最近ではニジェールでも起こっている。また、30日にはガボンで、軍部がアリー・ボンゴ・オンディンバ大統領を解任すると発表。軍幹部が暫定大統領に任命され、権力を掌握しつつある。これが成功すれば、1967年から同国を支配するボンゴ家による統治が終了することを意味する。
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