「日本食レストランには二度と行かない」
同紙によれば、福島原発の汚染処理水が太平洋に放出されたことに中国人は本当に仰天してしまった。中国のSNSユーザーの間では、日本食レストランの利用をやめるとの書き込みが増えており、専門家によれば、これは世論の大きな変化を示しているという。中国のミニグログサイト新浪微博(Sina Weibo)が実施した調査では、20万人以上のソーシャルメディアユーザーが「二度と日本料理店には行かない」と答えたと同紙は報じている。
多くの日本料理店の代表者はメディアからの取材に対し、すでにメニューを変更し、食材のサプライヤーを中国や他の国の業者に切り替えると宣言した。なかには、日本食をあきらめ、ほかの国の料理の専門店へと変えることを検討している店さえもある。同紙の指摘では、中国はいえば日本からの海産物の最大の輸入国であり、多くの中国人は日本料理びいきでよく知られている。
中国でも特に沿岸地域の住民の失望は大きい。あるSNSユーザーは「私たちは海の近くで育ち、海は私たちにとって母親のようなものです。海を汚染するという日本の行為は理解できないし、許すこともできません」と書いている。一部のコメンテーターは、日本のアニメやテレビ番組で盛んに取り上げられている、海などの環境保護のコンセプトの例をとりあげた。「日本のアニメは海洋保護を大きく宣伝しているのに、日本政府は汚水を海に流そうとして断固として譲らない。なんという皮肉だ!」 グローバル・タイムズは別のソーシャルメディア・ユーザーのこうしたコメントを引用している。
香港は日本からの水産物に特に厳しい規制を課した。グローバル・タイムズ紙によれば、香港では8月24日以降、日本の10都県からの水産物(活魚、冷凍魚、冷蔵魚、乾燥魚、缶詰、海塩、生海苔、加工海苔を含む)の輸入が全面的に禁止された。香港を拠点とする日系スーパーはすでに、水産物の正確な産地表示を始めている。
ロシアの塩の買いだめに走る中国人
日本製の海塩を拒否した中国人はロシア沿海地方から塩を持ち出し始めている。ウスリースク市の税関職員はスプートニクからの取材に、「確かに、8月24日以降、中国人の荷物の中に塩のような商品が現れはじめました。これは以前にはなかったことです」と語っている。とはいえ、税関の話では、今のところロシアからの塩の持ち出し量は許可された基準を超えておらず、いかなる制限も受けていないという。スプートニクの情報によると、中国当局は市民に対し、塩の大量購入を控えるよう求めている。
中国のレストラン経営者たちの懸念が現実のものとなりつつある。スプートニクが以前書いたように、福島原子力発電所から海への処理水放出が始まった後、中国の和食カフェは閉店の危機に瀕している。
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